Device Physics
電車やEV(電気自動車)などに用いられるインバータには、従来はSiパワーデバイスが用いられてきましたが、近年、SiCを用いた低損失パワーデバイスが実用化され、注目を集めています。我が国が掲げる2050年カーボンニュートラルを実現するためには、小型、高効率のSiCインバータ装置を電車やEVへ搭載し、電力消費を抑えることが重要と考えられます。しかし、現在市販されているSiC MOSFETの性能は、材料の物性値から期待される値に比べてはるかに低く、本来の性能を発揮しきれていません。特に、SiC MOSFETにおいては、チャネル移動度が低いという問題がありますが、ホール効果測定やデバイスシミュレーションなどを用いることで、その原因を究明します。