PRINCIPAL INVESTIGATOR

准教授 | ASSOCIATE PROFESSOR

岡本 大 | DAI OKAMOTO, PH.D.

E-mail: dai.okamoto@pu-toyama.ac.jp

略歴:奈良先端科学技術大学院大学(NAIST)にて博士(工学)を取得後、産業技術総合研究所研究員、筑波大学助教を経て、富山県立大学に着任。SiCパワー半導体を中心に、MOS界面制御、ゲート絶縁膜形成、界面欠陥評価およびデバイス物理に関する研究に従事している。

2024年より現在まで、応用物理学会春季・秋季学術講演会プログラム編集委員。2025年、応用物理学会先進パワー半導体分科会第12回講演会実行委員会副委員長。2022年、第27回電子デバイス界面テクノロジー研究会実行委員長。2021年、第26回電子デバイス界面テクノロジー研究会プログラム委員長。

主な担当講義:半導体基礎、半導体素子工学、パワーデバイス工学、微分方程式論

Students

M2 矢合 志悠
チャージポンピング法によるpチャネルSiC MOSFETの界面評価

M1 飯野 凜太朗
サイクルRIEによるSiC表面コンディショニング

M1 高橋 悠希
SiF4添加酸化によるSiC MOS界面制御

B4 二上 泰地
TEOS-CVD装置の構築とMOSデバイス評価

B4 堀田 裕太郎
熱ALD装置の構築とMOSデバイス評価

B4 谷藤 優太
分光反射率測定装置の構築とSiO2膜評価

(学年順、各学年内は五十音順)

 

研究室選択を考えているみなさんへ

本研究室では、SiCをはじめとするパワー半導体デバイスにおいて、半導体と絶縁膜が接するわずか数nmの「界面」を研究しています。

熱酸化・ALD・CVDなどの成膜工程により界面をつくること、電気的・光学的な測定によって界面の欠陥を測ること、得られたデータを物理モデルとプログラミングによって解くことを、一つの研究室の中で行っています。

研究では、自作での成膜装置の構築、MOSキャパシタなどの試験素子の作製、電気特性・光学特性の測定に加え、装置制御やデータ解析のためにArduinoやPythonを使用します。半導体工学、計測工学、プログラミング、数値解析といった授業で学んだ知識を、実際の研究課題に結び付けて使う研究室です。

実際の大学の研究は、派手な成果の連続ではありません。同じ試料を条件だけ変えて何枚も作り、測定を繰り返し、思いどおりの結果が得られない原因を一つずつ調べます。大学で作製するのも製品そのものではなく、物理現象や新しい技術を検証するための試験素子です。

また、市販の装置だけでなく、自分たちで組み立てた装置や、自分たちで作成した測定・解析プログラムも使います。手間はかかりますが、既製の装置に研究内容を合わせるのではなく、自分たちの研究に必要な実験方法そのものを作れることが、本研究室の強みです。

その地道な繰り返しの中から、まだ誰も報告していない現象や、従来の考え方では説明できないデータを見つけます。専門書や英語論文を調べ、仮説を立て、実験によって確かめ、なぜその現象が起こるのかを説明することが、私たちの研究です。

配属時点で、半導体やプログラミングに関する高度な知識を身につけている必要はありません。研究に必要な知識、実験技術、解析方法は、教員や先輩と相談しながら段階的に学びます。一方で、指示された作業だけをこなすのではなく、自分の研究テーマについて考え、分からないことを調べ、試行錯誤を続ける姿勢が必要です。

大学院進学を考えている学生には、学部4年から修士修了までを見据えた研究テーマを設定し、学会発表や論文発表につながる研究を目指します。

 

当研究室に向いている方

本研究室は、研究を通じて身につけた知識と技術を生かし、将来、半導体業界で活躍したい学生に特に適しています。

  • 将来、半導体デバイスメーカー、半導体製造装置メーカー、材料・計測関連企業などで、技術者・研究者として活躍したい人
  • 装置を組み立てたり、実験条件を変えて試したりすることに面白さを感じる人
  • 実験だけでなく、Pythonによるデータ解析、測定自動化、装置制御にも取り組みたい人
  • すぐに答えが出ない課題に対しても、計画的かつ継続的に取り組める人
  • 大学院進学や学会発表を視野に入れ、本格的な研究に挑戦したい人

現時点で何ができるかだけではなく、研究を通じてどこまで成長したいか、そして身につけた力を将来どのように生かしたいかを重視します。

 

研究を通じて身につく力

本研究室では、研究を通じて、「つくる力」「測って解く力」「伝える力」を総合的に身につけます。

つくる力

市販の装置を操作するだけでなく、ALD・CVDなどの成膜装置や測定系を自分たちで組み立て、Arduinoなどを用いた制御プログラムも作成します。また、成膜や電極形成などの工程を行い、MOSキャパシタをはじめとする試験素子を自分の手で作製します。装置やデバイスがどのような原理で動いているのかを理解し、研究目的に合った実験方法を考える力を養います。

測って解く力

作製した試料の電気的・光学的な特性を測定し、Pythonを用いてデータを解析します。思いどおりの結果が得られないときには、装置、試料、測定条件、解析方法のどこに原因があるのかを一つずつ切り分けます。専門書や英語論文を調べ、仮説を立て、実験結果が示す物理現象を自分の言葉で説明する力を身につけます。

伝える力

本研究室では、プレゼンテーション教育にも力を入れています。研究の背景、目的、実験方法、結果、考察を一つの論理的なストーリーとして組み立て、図表の見せ方、スライドの構成、発表時の話し方、質疑応答を専門的に学びます。3年前期の「プレゼンテーション演習」で学んだ内容からさらに踏み込み、見栄えのよいスライドを作るだけではなく、複雑な内容を整理し、自分の考えを相手に分かりやすく、説得力をもって伝えることを目指します。

これら3つの力は、卒業研究や学会発表だけでなく、半導体デバイスメーカーや半導体製造装置メーカーにおける装置開発、実験、データ解析、技術報告、設計レビュー、顧客への提案など、技術者・研究者として働くさまざまな場面で生かすことができます。

研究室見学はいつでも歓迎します。実際の装置や研究テーマを見学できるほか、在籍学生から研究の進め方や研究室での生活について直接話を聞くこともできます。まずは気軽に声をかけてください。